株主優待銘柄でもご紹介しているイオンですが、2020年1月10日、社長の交代が発表されました。
8兆円を超える連結売上高の企業グループの社長の退任にしては突然でした・・・なぜなのでしょうか?そして今後はどうなるのでしょうか?
出典元:ダイヤモンドオンライン
イオン、突然の社長交代発表!
創業家出身の岡田元也氏は23年間社長を続けていました。退任の理由について、記者会見でも多くを語っていません。
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傘下でコンビニエンスストアを運営するミニストップの藤本明裕社長でさえ「事前に何も知らされていなかった。何もわかりません。何も聞かないでください」と驚きを隠せなかった突然の交代発表だったようです。
質疑応答でも岡田社長は、自身の退任を決めた理由や発表のタイミングについては
「タイミングに意味はない」
とのことで、理由についてもはっきりした答えはありませんでした。
総合スーパー事業の低迷
祖業の総合スーパーの業績は低迷しています。連結売上高の3から4割を占めながら超低収益が継続しています。
総合スーパーの業績回復時点で勇退を考えていたのが結果的に果たせなかったようです。
総合スーパーの業績回復を担っていた、現イオンリテールの社長岡崎双一氏は2015年社長に就任、一時期岡田社長の後継とみなされていました。
しかし、業績回復を果たすことができず、今回も後継者から外された形だ。
新社長はイオンモール担当、中国事業の黒字化を実現
出典元:ダイヤモンドオンライン
次期社長の吉田氏はイオンモールの社長として、特に中国事業で実績を上げてきました。その手腕を総合スーパーでも発揮してもらいたいとのことだと考えられます。
新社長、吉田氏の経歴
吉田氏は1960年生まれの59歳。83年にジャスコ(現イオン)に入社したのち、東北開発部長、関東第一開発部長、イオンリテール関東開発部長、イオンモール国際企画部統括部長などを経て2011年3月イオングループ中国本社取締役に就任。その後イオンモール中国本部長などを経て、15年2月よりイオンモール代表取締役社長を務めている。また、19年3月にはイオン 代表執行役副社長 ディベロッパー事業担当兼デジタル事業担当を兼務している。昨年11月末の英ネットスーパー大手オカド(Ocado)との提携の旗振り役を務めたのも吉田副社長である。
出典元:ダイヤモンドオンライン
新社長の責任はとても重いですね。
会見では、「リアルとオンラインの統合」「組織作りの改革」「イオンの成長スピードのアップ」などが語られましたが、具体策はこれからのようです・・・
今のイオンは金融事業と不動産事業が収益源
総合スーパーのイオンやマックスバリューなどのスーパーマーケットの不振を補っているのが、金融事業と不動産事業だ。
クレジットカードで儲ける
金融事業は、イオンカードによる、キャッシング・リボ払いからの金利収入が主な収益源だ。
営業収益は4000億円、経常利益は700億円と稼いでいる。
国内クレジットカード会員1800万人。
キャッシング残高利用者130万人。一人当たり残高33万円。
イオンカードバラマキ作戦によって、キャッシング残高も増えており、収益の柱となっている。この顧客はイオンでお買い物をすることが多いわけで、相乗効果が発揮でき、イオングループの強みの一つである。
不動産事業で儲ける
ショッピングモール事業は、いい立地を見つけ、土地の権利を手に入れ、銀行資金を引き入れて巨大なショッピングモールを開発。
テナントの家賃が主な収入源となります。
ドラッグストアも好調
子会社のウェルシアホールディングスは業績が絶好調。現在ドラッグストア業界首位である。
売上高は8000億円近く、営業利益も290憶である。
イオンリテールの営業利益は2019年度で118億円なので、立て直しが急務なことがわかる。
イオン本体は大幅な構造改革が不可避
金融事業も不動産事業も、本体のイオンのGMS(総合スーパー)、SM(スーパーマーケット)があるから成り立っている。
ここが復活すれば名実ともに日本の小売りトップ企業になるだろう。
そのためには大幅な構造改革が必要だ。
GMSは食品以外は切り離せ!
GMSはモールの核店舗としての機能があるので不採算だから撤退というわけにはいかないだろう。
食品以外は切りなして、別会社としていく。現在、シューズはジーフットになっている。衣料・生活関連も別会社化するか、テナントを入れていかないといけない。
食品については、トップバリューの商品開発が低価格志向に偏りすぎているので、修正が必要だろう。現状は商品開発も業者に丸投げなので、開発力を付ける必要があるだろう。あまりにも外れ商品が多すぎる・・・
このような状態なのに、トップバリューセレクトとか高級品を投入しても効果が薄い。バイヤー連中は最終的に売れずに、50円・100円で処分されていることを知らないのだろう。
スーパーマーケットはいまだに昭和のオペレーション
GMSの食品部門・スーパーマーケット業態のマックスバリューは、売り場、陳列方法、商品づくりに進歩が見られない。
いつまでも同じことをやっていては、どんどん取り残されてしまいます。
ライフや阪急オアシスなどの売り場づくり・商品化やバローのようなローコストな品揃え方法などに比べ後れをとっています。
ライフは食品センターの利用で、おいしく安全な惣菜を店舗で販売できていますが、すでに30年程度の歴史があるはず。
すぐに追いつけるわけがないのです。そこは幹部が頭を絞って考えないと、すべて店のせいにしていてはよくなるわけがありません・・・
株主としては、なんとか業績が改善できるように期待したいですね!